JR東海は20日、東海道新幹線の男性運転士（36）が16日、走行中に便意を催し、トイレに行くため約3分間運転室を離れる規定違反があったと発表した。当時は時速約150キロで走行中で、車内には約160人が乗車していた。この間、運転免許を持たない男性車掌（36）が運転室にいたという。国土交通省令にも違反するとして20日、同省に報告した。
JR東海によると、1987年の同社発足後、客を乗せて新幹線を運転中に運転士が運転室を離れたケースは初という。運転士は「プロとして腹痛を理由に停止させることは恥ずかしく、列車を遅らせたくなかった」と話しているという。
同社によると、運転士は16日午前8時14分ごろ、東京発新大阪行きの「ひかり」で、熱海―三島駅間を走行中に運転席を離れた。運転を交代しようと車掌を呼び、車掌は運転免許がないことが分かったが、腹痛に耐えきれずにトイレに向かったという。
同社の規定では、走行中に心身の異常があった場合は指令所に報告して指示を仰ぎ、運転免許を持つ他の乗務員と交代するか、運転を停止することになっている。
同社は記者会見で「極めて不適切な行為で、すべての乗務員に対してルールを守るよう再徹底する」と陳謝した。【酒井志帆】
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2021-05-20 11:45:01Z
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