M&Gインベストメンツで世界国債ファンドを運用するエバ・スンワイ氏はインフレ懸念からポートフォリオを守るため、株式投資家からヒントを得ている。株式投資家は債券の代替となるような銘柄を選んで投資することがあるが、それと同様に株式との相関が比較的大きい債券を選ぶことにした。
具体的には、ノルウェー債とイタリア債だ。「利回りが高めの先進国債券には妙味がある。バリュエーションに魅力があるほか、商品および株式との相関が高いことが理由だ」とスンワイ氏は最近のインタビューで語った。「イタリアには欧州中央銀行(ECB)の継続的な支えがある」と付け加えた。
ノルウェーの10年物国債の利回りは今年約60ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇し1.56%に達した。イタリア10年債は50bp余り上昇して1.06%。米国債は72bp上昇の1.63%だ。
世界の債券投資家は、現在のインフレ上昇がどの程度続くかに頭を悩ませている。持続的な物価上昇は新たな債券売りを引き起こす恐れがある一方、インフレが一時的であれば的を絞った買いが促されやすい。
ロンドン在勤のスンワイ氏(24)は、デュレーション(平均回収期間)長めの債券をショート(売り持ち)にしているが、債券の魅力は増していると認める。
「利回りに照らして割安になりつつある。デュレーションについて完全に弱気というのではなく、徐々にショートを減らしつつある」と同氏は話した。
ただ、「米国債とドルについてはやや慎重だ。米国は新型コロナウイルス禍後の出発点で政府債務が大きいことに加え、将来的なテーパリング(当局の債券購入縮小)の可能性がある」とも述べた。
同氏はまた、アジアでインフレ率が低めの国の現地通貨建て債も有望視している。
原題:
Bond Fund Manager Takes Cues From Equities to Beat Inflation (1)(抜粋)
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2021-05-21 05:36:02Z
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