【ワシントン=鳳山太成】米疾病対策センター(CDC)は5日、2020年の米国の出生数が前年比4%減ったとの暫定値を発表した。6年連続の減少で、1979年以来、約40年ぶりの低水準。新型コロナウイルスの影響で出生数が一段と減り、世界経済をけん引する米国の成長に響く可能性がある。
20年の出生数は360万5201人。金融危機で景気が低迷する前の2007年をピークにおおむね下がり続けてきた。14年に一時増えたものの、その後は年平均2%の減少が続いた。
1人の女性が生涯に産む子供の数を示す合計特殊出生率は1.64と過去最低を更新した。人口の維持に必要とされる2.1を07年以来、一貫して下回っている。
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年齢別の出生率は15~44歳の各グループいずれも減少した。20~24歳が6%減、25~29歳が4%減でそれぞれ過去最低を記録した。1985年から2019年にかけて年平均3%とほぼ一貫して増えてきた40~44歳も2%減った。
生まれた子供が減った背景には、女性の社会進出や晩婚化を指摘する声がある。若年層の所得が減ったり、学費返済の負担が増えたりして結婚や出産をためらう傾向もある。
新型コロナウイルスの流行を受けて、夫婦が病気や金銭面への不安から出産を見送った影響も一部表れたようだ。20年12月の出生数は前年同月に比べて8%減った。コロナ禍の影響が本格的に表れる21年は出生数が一段と減る可能性がある。
米国は日本や欧州などの先進国と同様、出生数が下がり続けてきたが、移民によって人口は増え続けてきた。足元では移民の流入も鈍っている。20年の国勢調査によると、人口の伸びは10年前に比べて7.4%増と、1940年調査以来の低水準となった。
足元の出生数はフランスやイタリアなど欧州でも急減している。コロナの影響がどこまで残るかは不透明だが、少子化に拍車がかかれば世界の持続的な経済成長に逆風となる。
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2021-05-05 12:28:27Z
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