欧州中央銀行(ECB)のラガルド総裁は10日、ユーロの為替レートは物価への影響に鑑み監視する必要があると述べたが、差し迫った政策調整の必要性は示唆しなかった。
ECBはパンデミック緊急購入プログラム(PEPP)の規模を1兆3500億ユーロ(約170兆円)で維持し、中銀預金金利をマイナス0.5%で据え置くことを決定した。
ラガルド総裁は政策決定後の記者会見で、ECBは「中期的なインフレ見通しへの影響という点で、為替相場の動向を含め、入ってくる情報を注意深く検証する」と述べた。
ブルームバーグ・ニュースは総裁の発言の直前に、政策委はユーロ高について前回のユーロ上昇時より弱い論調を採用することで合意したと報じていた。
ECB政策委、ユーロ高に過剰反応する必要ないと合意-関係者

ユーロは上昇し、フランクフルト時間午後3時25分は0.8%高の1ユーロ=1.1901ドル。先週は一時1.20ドルを超え2年ぶり高値を付けた。
ユーロはドルに対して3月以降10%余り上昇し、輸入価格を押し下げて物価に下押し圧力をかけている。8月のユーロ圏インフレ率は4年ぶりのマイナスになった。
総裁は「もちろん、ユーロ高が物価への下押し圧力となる限りにおいて、そうした問題を注意深く監視する必要がある。この点については大々的に議論された」と語った。一方で、ECBは特定の為替水準を目標にすることはしないと繰り返し強調した。
ECBは最新の経済予測を公表。今年の成長率予想はマイナス8%と、6月時点の予想よりやや改善した。2021年はプラス5%成長が見込まれている。インフレ率の回復ペースは遅く、22年も1.3%とECBが目指す2%弱を大きく下回る見込み。
Economic Forecasts
The ECB raised its forecast for 2020 GDP to -8%
Source: ECB
10日の政策発表の前の調査で、エコノミストらはECBが12月末までにPEPPを3500億ユーロ拡大し6カ月延長すると予想していた。現時点では21年6月末まで継続されることになっている。総裁は現行のPEPP購入枠1兆3500億ユーロについて、全額を使い切る公算が「極めて大きい」と述べた。同時に、拡大は議論されなかったと明らかにした。
何らかの追加措置を打ち出すには政策委員会内の意見調整が必要だが、ラガルド総裁はこの日、インフレが目標に確実に近づくよう、全ての政策手段を調整する用意が政策委にはあるとあらためて言明した。
「回復は引き続き新型コロナウイルスのパンデミックの展開およびその封じ込めの成否に大きく左右され、依然大きな不確実性がある」と語った。
原題:Lagarde Says ECB Is Keeping Eye on Euro Without Signaling Alarm(抜粋)
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2020-09-10 15:20:00Z
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