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日銀が9月会合で金融緩和の是非を議論、海外経済回復の後ずれ影響見極めへ - ロイター (Reuters Japan)

9月10日、日銀は18─19日開催の金融政策決定会合で金融緩和の是非について議論する。東京の日銀本店で2016年3月撮影(2019年 ロイター/Yuya Shino)

[東京 10日 ロイター] - 日銀は18─19日開催の金融政策決定会合で金融緩和の是非について議論する。日銀内では海外経済の不確実性の増大を懸念する声が多く、9月会合で「物価安定の目標」に向けたモメンタムに悪影響を及ぼさないか点検する。仮に金融緩和が必要と判断すれば、マイナス金利の深掘りが有力な選択肢となりそうだ。

複数の関係筋が明らかにした。

日銀は前回7月の金融政策決定会合の声明文で「先行き、物価安定の目標に向けたモメンタムが損なわれるおそれが高まる場合には、躊躇(ちゅうちょ)なく、追加的な金融緩和措置を講じる」と記述を新たに加えた。それまでの「物価安定の目標に向けたモメンタムを維持するため、必要な政策の調整を行う」から追加緩和に向け表現を一歩進めた格好だ。

モメンタムをみる上で重要となるのが、需給ギャップと企業や家計の物価上昇予想だ。海外経済の回復時期が当初見通しよりも大幅に後ずれすれば、外需の持ち直し時期も遅れ、内需から外需へのバトンタッチシナリオに黄信号がともる。中国や欧州経済は弱さが目立っており、日銀内では「世界経済は年後半に向けて回復するとみられていたが、後ずれしている」との声が出ている。

現時点では外需の弱さが内需に波及するまでには至っていないと判断しているが、海外経済の先行きに対する警戒感は強まりつつある。

仮に追加緩和に踏み切る場合、1)短期政策金利の引き下げ、2)長期金利操作目標の引き下げ、3)資産買い入れの拡大、4)マネタリーベースの拡大ペースの加速──の4つの選択肢があり、黒田東彦総裁は7月30日の会見で「これらの組み合わせや応用といったことも考えられる」と説明した。

では、どの選択肢があり得るのか。日銀はイールドカーブが過度にフラット化することに警戒感を示している。超長期ゾーンの利回りが下がり過ぎると、年金基金などの運用難を通じて、消費者マインドに影響を及ぼす可能性があるためだ。イールドカーブのフラット化を防ぐために、長期金利操作目標の引き下げを単独で実施するという選択肢は考えづらく、長短金利目標を同時に引き下げるか、マイナス金利の深掘りが有力な選択肢となる。

ただ、そうした措置をとる場合は金融機関への収益への悪影響を軽減するための措置も併せて検討する可能性がある。

12日には欧州中央銀行(ECB)理事会、17─18日には米連邦公開市場委員会(FOMC)を控えている。日銀は市場の反応などをギリギリまで見極めたい意向だ。政策委員の一部からは長引く緩和の副作用に対する懸念も出ており、最終的には各政策委員が、海外経済をめぐる不確実性が日本の景気回復にどの程度悪影響を及ぼすのか、追加緩和の効果と副作用をどのように評価するかで政策対応の是非を判断することになる。

志田義寧 木原麗花

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https://jp.reuters.com/article/boj-meeting-idJPKCN1VV1BR

2019-09-10 11:28:00Z
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