【カイロ=久門武史】石油輸出国機構(OPEC)とロシアなど非加盟の主要産油国でつくる「OPECプラス」は1日、協調減産を5~7月に段階的に縮小すると決めた。サウジアラビアも独自の追加減産を縮小すると表明した。
新型コロナウイルスで冷え込んだ原油需要が回復基調にあるのを映した。サウジのアブドルアジズ・エネルギー相は協議後の記者会見で、OPECプラスの協調減産幅を5月、6月にそれぞれ日量35万バレル、7月は44.1万バレル減らすと述べた。4月の協調減産幅の690万バレルが5月は655万バレルになる計算だ。
OPECプラスの閣僚が1日のオンライン協議後に出した声明では「5、6、7月の生産水準の調整を承認し、毎月の調整は日量50万バレル以下とする」としている。次回協議を4月28日に開くとした。
OPECの盟主を自任するサウジは協調減産とは別に日量100万バレルの大規模な自主減産に取り組んでいるが、アブドルアジズ氏は記者会見で「段階的に元に戻す」と表明した。5月に25万バレル、6月に35万バレル、7月に40万バレル縮小するとした。
市場では5月は現行の協調減産を据え置くとの観測が強かったが、OPECプラスが段階的に減産を緩和すると決めたのを受け、需要回復が確かだとの思惑が浮上した。ニューヨーク市場の原油先物は同日、一時1バレル61ドル台と前日比4%上昇した。
OPECプラスの閣僚協議に先立ち、グランホルム米エネルギー長官はアブドルアジズ氏と電話協議したとツイッターで表明。「消費者にとって手ごろで信頼できるエネルギー源の確保に向けた国際協力の重要性を再確認した」と投稿し、原油高をけん制していた。米国はOPECプラスの枠組みに加わっていない。
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2021-04-01 16:47:42Z
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