総務省幹部の高額接待問題をめぐり、放送関連会社「東北新社」の中島信也社長が同社関係者では初めて、参考人として15日の参院予算委員会に出席した。 民間人の参考人招致は異例だ。焦点の外資規制違反について、中島氏は気付いた時点で報告したと訴えたが、総務省は報告を受けていないと否定。双方の説明は真っ向から食い違い、真相解明どころか疑問はさらに深まった。 ◇「報告した」「受けてない」 中島氏は社内調査の結果として、2016年10月の衛星放送事業の認定申請時は、担当者が議決権1%以上の外国株主だけを合計する「単純ミス」で違反に気付かなかったと主張。17年8月、複数の衛星放送を同社に一元化しようとした際に違反を認識し、接待問題で既に執行役員を解任されている木田由紀夫氏が、総務省情報流通行政局の鈴木信也総務課長(当時)に口頭で報告したと語った。 だが、同局の吉田博史局長は、鈴木氏に確認したところ「報告を受けた覚えはない。そのような重大な話なら覚えているはずだ」と話していると反論。同社に説明資料などメモの有無を問い合わせても「ないということだった」と述べた。 立憲民主党の福山哲郎幹事長は「なぜ担当課長ではなく総務課長に報告したのか」と質問。問題発覚後に社長に就任した中島氏は「全く分からない」と何も答えられなかった。 質疑では、外資規制に関する総務省審査のずさんさも鮮明になった。吉田氏は、申請者の申告に基づいて「総務省がチェック欄を確認」しただけだったと語り、提出された資料だけでは「外資比率の最終的な確認は行えない」と述べた。実際には、上場企業の株主構成は有価証券報告書で容易に確認できる。「何も確認しないなら総務省は要らない」。福山氏は声を荒らげた。 外資比率を把握していなかったとする同社に対しても、福山氏は「企業には法務部や財務部がある。にわかに信じられない」とただしたが、中島氏は「大変恥ずかしい」などと繰り返し、単純ミスとの立場を変えなかった。 菅義偉首相の長男、正剛氏の役割も焦点となった。福山氏は、同社が総務省に対する首相の影響力に着目して正剛氏を30歳代の若さで部長に起用したとみて、「接待の重要な役割を担ったのか」と追及。中島氏は「大変優秀な若者だが接待要員ではない」「首相のご子息ということは影響していない」と否定した。 ◇NTT接待でもずれ NTTによる接待問題でも、同社と総務省の説明は食い違った。澤田純社長は、首相が掲げた携帯電話料金引き下げの容認と、同社が進めたNTTドコモの完全子会社化との関連を否定し、総合通信基盤局長として携帯業界を所管していた谷脇康彦前総務審議官らとの会食でも「どなたにも話していない」と断言。だが、谷脇氏自身は5日の予算委で「携帯電話の話が出るのは自然」と語っており、真相はやぶの中だ。 福山氏は東北新社の外資規制違反をよそに衛星放送事業を認定した経緯を問題視し、「違法を重ねて認定が行われた疑惑が深まった」と記者団に強調。野党は予算委後の理事会で、木田氏や正剛氏、鈴木氏の出席を要求した。与党は鈴木氏について、16日の衆院予算委と17日の参院予算委に出席させることを決めた。
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2021-03-15 23:29:19Z
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