経団連の中西宏明会長は9日、病気療養から3カ月半ぶりに復帰し、記者会見した。米中の貿易摩擦が激化し、海外経済は「来年にかけて状況は厳しい」との見方を示した。「企業が設備投資をしにくくなっており、実需もやや陰っている」とも述べた。日本経済については「産業構造の転換につながる設備投資などは堅調で、大きなへこみはない」と語った。
中西氏は5月下旬にリンパ腫治療のため入院して以来、3カ月半ぶりに復帰した。9日朝、経団連の経営労働政策特別委員会に出席し、2020年春季労使交渉の経営側の指針づくりをスタート。中西氏は「賃上げ以外にも、働きがいのある職場づくりなどの議論もしっかりすべきだ」と述べた。
中西氏は記者会見に先立って記者団の質問に答え、体調は順調に回復していると話した。今後の経団連の活動では、先端技術を生かして社会の課題を解決する「ソサエティー5.0」の実現やデジタル化の推進に力を入れるほか、社会保障改革や電力システムの再構築を巡り、政府に積極的に働きかけていく考えを示した。会見では「誠心誠意、体調をみながらやっていきたい」と語った。
中西氏は秋以降に開かれる政府の経済財政諮問会議や未来投資会議にも出席する予定。一方、体調を考慮し国内外の出張は当面見合わせるという。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO49577480Z00C19A9EE8000/
2019-09-09 08:30:00Z
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